世界で活躍する日本のものづくり
世界の中でも器用だとされる日本人には、気質の典型のひとつにものづくりへの強いこだわり(細部に亘る緻密さや創意工夫など)があると言われます。
そのことが、今日の日本の物質的に豊かな暮らしを生み出してきたとも言えるでしょう。
日本のお家芸とも言うべき電機や自動車メーカーの隆盛は、経済成長の代表的なシンボルでもありました。
その生産技術や品質の高さには、国の内外を問わず定評がありましたが、近年次々と業界大手の凋落ぶりがメディアにも頻繁に取り上げられるようになってしまいました。
日本のものづくりを懸念する声も聞こえているようです。
しかし、大手メーカーを下支えしてきた中小企業が、それぞれの得意分野のものづくりで、海外に活路を見出しているというのは吉報です。
日本の大手メーカーがその座を譲り、表立って市場を席巻しているのは韓国や中国企業の製品です。
しかし、中国の富裕層による日本国内での“爆買い"と呼ばれる現象に代表されるように、未だに日本製品が、どの分野でも高い信頼を得ているのは自明のことでしょう。
さらに、東アジア地域でも日本製品はひと際人気を得ているようです。
その製品に欠かせない部品の多くを担っているのが日本の中小部品メーカーなのです。
メイドインジャパンの信頼を勝ち得ている根本にあるのは、優れた部品作りにあるようです。
ミリ単位の細密なものづくりには、日本の中小企業が培ってきた高度な技術を要し、他国の追随を許さないのが現状です。
東アジア現地での日本メーカーの部品作りはさることながら、電子機器の市場を圧倒する韓国メーカーの部品作りも担うなど、日本企業だけに特化しない柔軟性が強みになっているようです。
ニッチ産業であることも、海外に活躍の場を広げてなお成功している秘訣なのかもしれません。
» 真空蒸着装置メーカーのクラフト